
2022年11月28日、俳優の渡辺徹さんが敗血症のため亡くなられました。突然の訃報に多くの人が驚きショックを受けました。
渡辺徹さんは、以前から病気を患っておりその半生は病気との闘いだったようです。
どのような病気に罹っていたのか、これまでの「病歴」と、また亡くなった原因となった「敗血症」について調べてみました。
渡辺徹 「敗血症」とは?
【敗血症とは】
敗血症は、細菌などの病原微生物に感染し、体がその微生物に対抗することで起こるさまざまな状態のことで、全身性炎症反応症候群ともいいます。 などが挙げられます。 敗血症と診断されたら、ただちに治療を開始することが重要です。 治療が遅れると、全身のバランスが崩れ、低血圧による意識障害などを引き起こしてショック状態となります。(参照:済生会HP)
【敗血症の症状】
初期の主な症状としては、悪寒を感じたり、全身のふるえや発熱(高熱になることが多い)、発汗などが見られたりすることが多い。 症状が進行すると、心拍数や呼吸数の増加、血圧低下、排尿困難、意識障害などが生じてくる。 重症化してしまうと、腎不全や肝不全といった臓器不全、敗血性ショックを招き、命を落とす危険が高まる。(参照:ドクターズファイル)
【敗血症 原因】
敗血症は何らかの細菌やウイルスに感染する“感染症”によって引き起こされます。 原因となる主な細菌は、ブドウ球菌、大腸菌、連鎖球菌などとされており、多くは肺炎、尿路感染症、皮膚や腸管の感染症などから発生します。 これらの感染症を発症すると体内では原因となった細菌が増殖していきます。(参照:メディカルノート)
【敗血症 致死率】
敗血症患者の死亡率は、2010 年の約 25%から 2017 年の約 18%と、減少傾向を示しました。 DPC データを用いて日本の敗血症患者のより正確かつ網羅的な疫学調査を行った結果、日本における敗血 症患者の死亡率は低下傾向である一方、患者数や死亡数は増加傾向であることがわかりました。(参照:千葉大学大学院医学研究員)
敗血症で死亡率が高くなる要因は以下の通りです。
- 男性
- 65歳以上の高齢者
- 糖尿病や重い肝臓病の人
- アルコールを大量に摂取する人
- がんの人
渡辺徹さんは糖尿病を患っており、お酒も好きだったようですので、ハイリスクだったようです。
渡辺徹 発症からたった1週間で帰らぬ人に
渡辺徹さんは、11月20日に発熱や腹痛などの症状が出たため、都内の病院で受診したところ、細菌性胃腸炎と診断されて入院しました。
その後、敗血症と診断され治療を受けていましたが、11月28日午後9時1分に帰らぬ人となりました。
敗血症は、初期の診断が難しいのに対し、早期治療が重要ということで、そこが敗血症治療の課題ともなっているようです。投薬治療が遅くなると致死率が高くなるためです。
渡辺徹 病歴
渡辺徹さんの半生は病気との闘いだったと言われています。
病歴をまとめてみました。
- 1991年(30歳) 急性糖尿病を発症
- 2012年(51歳) 虚血性心疾患
- 2013年(52歳) 膵炎
- 2016年(55歳) 糖尿病による腎機能の低下で人工透析
- 2021年(60歳) 大動脈弁狭窄
- 2022年(61歳) 細菌性胃腸炎から敗血症になり逝去
渡辺徹さんは、30歳で急性糖尿病を発症しています。大食漢で、マヨラーを公言していた渡辺徹さんは、1日に6000キロカロリーを摂取したり、コーラ1.5リットル6本を一気飲みしたり、ヘビースモーカーであったことも知られています。
生活習慣が原因で重い病気を発症してしまったこともあり、奥さんである榊原郁恵さんの献身的な協力でダイエットも何度も試み、リバウンドを繰り返していました。
糖尿病から55歳で人工透析になり、51歳で虚血性心疾患と診断を受けた時は、6時間にもおよぶ「冠動脈バイパス手術」を受けています。
闘病しながら仕事を続けていた渡辺徹さんですが、健康にまつわる講演会も行っていました。
インスタグラムの最後の投稿は、病院を受診する前日に秋田大学医療フォーラムでの講演の帰りの新幹線で食べたお弁当でした。本当に直前までお元気だった様子なので、突然の訃報でした。
さいごに
渡辺徹さんは、これまで大きな病気を何度も経験されていて、人工透析を受けており、敗血症のリスクが高かったと思われます。
それにしても、発症からたった1週間で亡くなられてしまうとは、敗血症の怖さがわかります。
重い病気を患いながらも明るいキャラクターで、誰からも愛された渡辺徹さん。
ご冥福をこころよりお祈りします。