木星に小天体が衝突する瞬間を捉えた、有松亘 特定助教授が話題になっていますね。
これまで、木星への小天体の衝突は8例確認されていますが、偶然発見されたものばかりで、研究目的として詳細なデータが得られたのは、史上初だそうです。
研究のきっかけはと言いますと、なんと「暇だったから」!
コロナで出来た時間を研究に当てたといいます。
それにしても、暇だったから!?こんな理由で世界的偉業を成し遂げるとは!
しかし、ここである事を思い出しました。
あの有名なアイザック・ニュートンが、万有引力を発見したのも、確かペストの流行によって通っていたケンブリッジ大学が閉まってしまい、田舎に戻っていた時です。
ニュートンは毎日のんびり散歩などをして過ごしていたようですが、ある日りんごの木陰でお茶を飲んでいる時に万有引力について、ひらめきがあったのです。
『暇』な時、人は結構ボーッとして過ごしたりしますよね。
こんな時、人の脳では一体何が起きているのでしょうか?

ボーッとしてる時の脳はめちゃくちゃ活性化している!
意外かもしれませんが、実はボーッとしてる時って、脳は休んでないんです。
むしろ、めちゃくちゃ活性化しています。
内側前頭皮質、後帯状皮質、楔前部、角回といった脳領域を中心とした複数の脳領域がネットワークを結び、活発に活動しているのです。
そして、この神経活動のことを、『デフォルトモードネットワーク』(DMN)と言い、DMNの状態の時に使っているエネルギーは、意識的に頭を使っている時の20倍にもなると言われています。
不思議な事に何かに意識を向けている時には、DMNの活動は低下してしまいます。
近年では、DMNは脳科学で注目を集めており、研究が進んでいます。

DMNは創造性を生み出す脳
DMNは創造性を生む脳と言われており、ひらめきやインスピレーションを生み出します。
みなさんにも、お風呂に入ったり、のんびり散歩している時に、良いアイデアが生まれたり、考えが煮詰まった時、トイレの中でふと解決策を思いついたりした経験があるのではないでしょうか。
芸術家や作家、音楽家などは、このDMNを上手に使う事で、インスピレーションを取得し、素晴らしい作品を生み出しているといえます。
また、芸術家でなくても、DMNの状態を上手に使う事で、仕事や、家事、子育て、人間関係、消費活動など、生活の質を高めていけるでしょう。
DMNを活性化させるには
さて、どうやったらDNMを活性化させられるのでしょうか?
観察瞑想(浮かんでくる感情や雑念をありのままに観察する)が効果的である(サイト:STUDY HACKER参照)と言われていますが、とにかく何もしないでボーッとしてみるというのが最も簡単で効果的かもしれません。
時にはスマホから離れて、ボーッとしたり、お茶を飲んだり散歩をしたり、ゆっくり湯船に使ったりして、脳のポテンシャルを最大限に引き出してみてはいかがでしょうか。

DMNのデメリット
DMNのエネルギー消費は、通常の20倍にものぼるといわれていますので、脳が疲れやすいというデメリットもあります。
また、注意が散漫になったり、色々な想念が浮かぶ事で、ネガティブな思考に支配されることもあります。
もし、注意が散漫になってしまったり、ネガティブ思考に陥っているなと感じたら、体を動かしたり、手を動かす作業をしたり、映画や動画を視聴したりして切り替えてみると良いかもしれません。
また、おもな対処法としては、集中瞑想やマインドフルネスがあげられています。
まとめ
私たちに、ひらめきやインスピレーションを与えてくれる、DMNは、まさしく『暇』の有用性です。
現代人は、つねにたくさんの情報に囲まれていそがしい日々をおくっていますが、時にはスマホから離れ、ボーッとする時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?
『暇』がもたらしてくれる恩恵は思った以上に大きいですよ。